「いっぽんでもにんじん」は最後の一滴が勝負さ

 2017年8月9日、何と高田渡の「自転車にのって/珈琲不演唱」が7インチシングル盤で復刻されました。「珈琲不演唱」は「コーヒーブルース」と読みます。高田渡が京都に2年余いた時に通っていた「イノダコーヒ」が歌詞に織り込まれています。

この歌が最初に発売された頃に、高田渡は拠点を東京へ移して、いわゆる「吉祥寺フォーク」の中心的存在となりました。この後、高田渡は死ぬまで吉祥寺にある焼き鳥屋「いせや」へ通って酔っぱらっていました。この焼き鳥の煙に触発されて「こっちはコーヒーの匂いで客を釣ろう」と仕入れた豆を二度煎りし始めた喫茶店が「いせや」の向いにありました。

それが標交紀の店「モカ」、高田渡たちが吉祥寺で活動する頃には既に移転して「もか」となっていました。標交紀が自家焙煎の「コーヒーの鬼」になっていくころは「吉祥寺フォーク」全盛のころでもあり、吉祥寺のぎんぎら通りは「ぐゎらん堂」に出入りしていた連中の一人がなぎら健壱です。

標交紀の師である襟立博保が死んだ1975年、その年の暮れになぎら健壱が歌っている「いっぽんでもニンジン」のシングル盤が発売されました。同年に発売された「ひらけ!ポンキッキ」というLP盤に収められた「いっぽんでもにんじん」(こちらは平仮名表記)は三浦けんいちが歌っていました。

 

「珈琲不演唱」と「いっぽんでもニンジン」、高田渡となぎら健壱、京都・三条の「イノダ」と東京・吉祥寺の「もか」…「珈琲不演唱」(コーヒーブルース)は、《♪最後の一滴が勝負さ》と歌っています。珈琲豆「いっぽんでもにんじん」も、《♪最後の一滴が勝負さ》と歌いながら飲んでみてください。
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