珈琲という名の不可解

豆が瞬きをする音 湯を逸らした音さえ

こんなにも容易く聞き分けてみせるのに

 

時に、品名を何としましょうか

誰も知りえないはずのコーヒーなんてさ 期待もしないよ

 

 

寸分の狂いだってない 正確に記録されたジグザグに

それ以上意味はないはずだもの

 

故にどんな顔して笑おうと フォームに書かれないことは

信じるに値しないんだ それが全て

 

珈琲を吐いている 珈琲を吐いている それだけ

 

曖昧なものだ 見えないものだ 

最適なプロトコルなどどこにもない ねえ

 

官能の判断はどうしたらいい? 

印象の分別はどうしたらいい?

証明しようもない不明瞭が コーヒー吐いては胸を焼くんだ

 

品種も精製もどうだっていい 

後悔の焙煎だとしたっていいからさ

この葉が枯れる病の理由は何なの?

 

 

仲買と商社の 値をたたいた言伝

私はいつまで 忘れているつもりだろう

 

鼻をほじった指で 取りこぼしてきた豆を

拾ってしまう 虚しさのままに

 

珈琲を吐いている 珈琲を吐いている 本当は

 

乱暴に君が淹れてくれたら

ぽっかり空いた陥没も埋められる これが正体?

 

ブレンドにロブを入れてしまう

挽き売りはサービスと思えてしまう

配合知らない消費者じゃ 答えなんてさわかりやしないよ

 

品名で一切を証明しない 珈琲という名前の不可解を

素直になれぬ私のことを見抜いてよ

 

 

珈琲を吐いている 珈琲を吐いている

 

冷めない汁なんて ここにないと教えて

 

官能の判断はどうしたらいい?

 

官能の判断はどうしたらいい?

印象の分別はどうしたらいい?

証明しようもない不明瞭が コーヒー吐いては胸を焼くんだ

 

何回拒んだって 振りほどいたって

そうやって また改良するのでしょう?

この葉が枯れる病の理由は何なの?

 

この重いの 名前は何なの? (コンダラ)